コパ決勝直前! 22-23 CAオサスナ選手まとめ②MF・FW編
https://nagai-tani.hatenablog.com/entry/2022/07/22/192614
>オサスナのプレーを見ていると、いつも頭に浮かぶ言葉がある。「下手」。
>彼らはボールを扱うプレーが基本的に苦手だ。自陣からポジショニングバランスを保ちながら運ぶとかマトモに見られる事がない。プレスかいくぐる技術が無い。だからよくわからない浮き球で逃げ、味方に悪い状況を押し付ける。
>もっとまともな選手が欲しい。ちゃんとボールを持って相手のポジショニングバランスを崩す駆け引きのできる技術を持った選手が欲しい。
ありがとう、モイ・ゴメス。上のはもう過去の話だ。
CMF セントラル・ミッドフィルダー
16. Moi Gómez モイ・ゴメス
(なぜか)ビジャレアルから離れて(わざわざ)オサスナに舞い降りた、新たなる創造神。基本的にさっさと前に蹴り飛ばして、敵陣でだけちょこまかショートパスを繋ぐだけのオサスナを一丁前のポゼッション・チームに作り変えた男。
ここ5年間オサスナの選手には誰もできなかった「中盤以下でボールキープして安全に味方へパス」が出来る貴重なインサイドハーフで、最近までフラン・メリダを有り難がっていたオサスナファンを持ち前の技術で絶頂させつつ、ほぼ前半戦は全試合出場するタフさで、ロケットスタートを1人で支えていた。最近はパブロ、オロス、ムニョスあたりの生え抜き組が成長してきているため、モイ・ゴメスの負担はだいぶ減っているような気がするが、未だにこいつが1番うまい。
基本的に後ろでゲームメイク仕事に従事しているのでゴール前での仕事は他のアタッカーに比べて少なくなりがちだが、たまにゴラッソを決めてしまうあたりも憎い。
マドリー相手にオサスナが息をするために最も重要なインテリオール、上位互換のモドリッチおじさんの前で何を見せてくれるのか。迷える子羊を栄光に導け、主よ。
22. Aimar Oroz アイマール・オロス
昨シーズンまでヒョロヒョロで、魍魎飛び交うプリメーラの舞台で果たして使い物になるかしらと心配された生え抜きの天才少年、無事に神(16番)の寵愛を受けてインサイドハーフのレギュラー定着し、4〜5年前から期待していたファンを狂喜乱舞させた。
相手ゴールを脅威に晒す天才性があり、最近のオサスナ生え抜きMFがみんな持ってる(モンカジョラ以外)守備センスも備え、そしてセンターサークル付近でボールを持ったら誰にも止められないテクニックを持っている。カマヴィンガを手玉に取るシーンなんかも見受けられた。なんやこいつ。
ポゼッションでは未だモイ・ゴメスほどボールの出口を見つけられる訳ではないが、カウンターでは無類の強さを発揮する。彼こそは、王の首を獲る剣。
19. Pablo Ibáñez パブロ・イバニェス
トップチームに上がって一年目、初ゴールでオサスナをコパ決勝に導いた若き勇者。ほぼギリギリな24歳にして、かなりギリギリの能力値でなんとかトップ昇格を掴み取り、かつてのモンカジョラを遥かに凌ぐスピードで成長を続けている。
半年前まで足がボールに全くつかず、身体の動きもなんだかバラバラで「とりあえず今年はプリメーラ体験して、来年から2部か3部レンタルかな」くらいの気持ちで見てたんだけどなあ。今ではレンタルとか考えられんくらい主力だし、なんなら来季から背番号6とか8を付けても文句言わんどころか大歓迎である。
ボールコントロール、身体能力、守備能力いずれも1試合ごとに目覚ましく上げ続けている最中で、中でもドリブルでボールを運ぶパワーと前主将オイエルさながらの得点センスはチームの明確な武器になりつつある。センターバックが退場して代わりを務めても遜色ないくらい守備でも強いし、ついでにコパ決勝進出を掴んだボレーは多分チームで1番うまい。
オサスナを愛する心が産んだ怪物、コパを掴み取るのは彼の右足かもしれない。
7. Jon Moncayola ジョン・モンカジョラ
右サイドバックの方がいいんじゃね?ってみんな思ってる。多分そう。最近クロスも上手くなってる。守備も他のサイドバックより強い。スピードもある。端から端まで正確に届くロングパスもある。うーん、サイドバック!ヴィニシウス止めろ!
6. Lucas Torró ルーカス・トロ
モイ・ゴメスの到来、生え抜きMFの成長、あと本人の負傷離脱が増えているのもあり、ファンの信仰対象から外れてきた気がする、かつての神。
とはいえ、この人もちゃんと成長している。インサイドハーフの位置での仕事が上達しているのだ。以前はそこで何も出来なかったトロが、最近ではわりと流暢にパスやらドリブルやらをこなしている。ボールの受け方も上手くなった気がする。まだまだ若い者には負けんという意思が感じられて素晴らしいですね。
持ち前の長い足を活かしたボール奪取能力、空中戦の強さ、丁寧で堅実なパスは相手が強くなればなるほど重要になってくる筈で、この大一番で大活躍すれば信仰を取り戻せるかもしれない。がんばれ、僕らの蛸神様!
34. Iker Muñoz イケル・ムニョス
「こいつはヤバい」と近頃ファンの間で噂になっていた20歳の生え抜きアンカー。トップに上げてみたら、やっぱりヤバかった。
負傷者が増え、日程がキツくなったのもあってか、最近トップで出場機会を増やしているが、普通に通用している。数試合こなしたらゲームメイク、守備どちらも「こないだまでプリメーラで出てましたよ?」と言われてもまあ納得できるくらい飄々とした態度でやっている。問題なくフル出場してるし。まあフィジカルが全然足りてないので置いてかれる事もしばしばだが、筋肉さえ付けばトロとポジション争いしても勝っちゃうくらいのポテンシャルはあると思うので、たゆまず筋トレを続けて欲しい。コパ決勝に出てもし活躍したりしたら、笑っちゃうと思う。
8. Darco Brasabac ダルコ・ブラサナク(ブラシャナツ)
クローザーとして懸命に守備を頑張り、裏に飛び出し、相手を背負ってボールキープしたりしてたのに、前十字靭帯をやってしまって長期の離脱。今年で終わりの契約を1年伸ばし、コパ決勝もスタンドで見守る事に。セルビアの魔術師のためにどうか栄えある戦いを。
WG ウイング・サイドアタッカー
12. Abde アブデ
W杯前後から活躍し出した問題児。初ゴールはバルサ在籍時のオサスナ戦。タッチライン際の暴れ馬。トレードマークは相手を置き去りにするドリブル、誰にも真似できないゴラッソ、誰も見てない視野の狭さ、レッドカードの山。基本的にはアホ。
コパ決勝直前にも関わらずリーガで退場をやらかし、あわや欠場かと思われたが裁定に救われ、無事出場可能と相なった。
誰でもぶっちぎる脅威のスピードは守備でも役に立ち、1人でカウンターを完結させられる突破力は大一番で必須なのだが、この人の起用は同時にレッドカードを貰ってチームを窮地に陥れる危険も孕んでいる。バルサから復帰を望まれてたりなかったりで来季以降は多分いないと思うが、この日だけは、決勝だけは過去最高のアブデでいてくれよ。
11. Kike Barja キケ・バルハ
ちょっと前まで中位以下専用機と成り下がっていた生え抜きウイング、今年に入って覚醒。ナチョ・ビダルさながらの鋭い切り返しを体得し、どんな相手にも突破を試み、ボールをキープできる力をつけ、最も頼れるサイドアタッカーに急遽変貌を遂げた。とはいえスピードはそれほどなく、アブデのように1人で攻撃できるほどではないが、危うさがなく視野も広いので安心して見ていられるのがとても良い。
右でも左でも高いパフォーマンスを出せるので、アラサテからの信頼も厚かろう。キケ・バルハ、オサスナの光差す道となれ。
14. Rubén García ルベン・ガルシア
完全にサブ降格したと思われたがアブデのやんちゃで急遽出場機会を増やしているジョーカー。
大体の攻撃能力が他のアタッカーに劣っている現状ではあるが、すばしっこさと当たりの強さで飯を食っている。最近ものすごいミドルを決めたので気分的にはノっていると思われ、コパ決勝では万が一勝ち越せてしまった時や同点でPKまで持ち越したい時のクローザーとしての活躍と、ワンチャンゴラッソを期待したい。というか、オサスナ創設100周年記念試合の決勝点もこの人だし、勝負強さはピカイチのはずなんだよな。頼むぜ。
33. Iker Benito Sánchez イケル・ベニート・サンチェス
イケル・ムニョスと同じく出場機会を増やしている、生え抜き20歳の両利きウイング。最近登録名がイケル・ベニートからI.B.サンチェスに変わったが、ムニョスと差別化を図りたいのだろうか。
強みは両足でドリブルできる器用さと加速力、そして上下動を何度もできるスタミナ。弱みはパス全般とゴール前での慌てん坊ぶり。右ウイングだとうまいことやれるが何故か左に回るとボールタッチがめちゃくちゃになったり不思議な所も多いが、これでも走る事しかできなかった昨シーズン以前よりはずっと成長しているので、来季以降どっかで爆発するのではなかろうか。そのうちアブデみたいになってくれたらいいのにな。
FW センターフォワード
9. Luis Ezequiel “Chimy” Ávila ルイス・エセキエル・"チミー"・アビラ
コパ準決勝2ndレグ、怪我を押しての出場ながらも決勝点に繋がるゴール前での粘りを見せた魂のストライカー。この頃は怪我がちで、リーガでスタメン起用されながらも試合直前でベンチに引っ込むなど決勝出場が危ぶまれていたが、なんとか間に合わせた模様。
一時はバルサやアトレティコ移籍も噂されながら両足連続の前十字靭帯故障で1年半近くのプレー時間、そして地に根を張ったような踏ん張りのパワーを失った悲劇の男、この大一番で価値を証明できるか。不死鳥は必ず蘇り、大空を羽ばたく。
17. Ante Budimir アンテ・ブディミル
先のW杯で途中出場した後交代させられた伝説の元クロアチア代表FW。今季全く点が取れず、最近になって2点取ってようやく総得点3。W杯直前に「点とって弾みをつけたい」とか言ってコパに強行出場したものの、カテゴリ下相手にしっかり無得点というオチは逆に美しい。
点が取れるタイミングで点が取れる場所に大体いないというのがそもそもおかしいが、他の仕事もそれほど上手くできず、キケガルにスタメンの座を奪われている今日この頃。対戦相手が擁するは祖国の代表チームをW杯2大会連続で上位に押し上げた本物の伝説バロンドーラー、その万能の天才に挑むは利き足が頭のセンターフォワード。誰か彼の頭に良いのを上げてやってくれ。
18. Kike García キケ・ガルシア
謹厳実直、必殺の右足を持ちながら地味で泥臭い仕事もサボらないエイバルの王。コパでカテゴリー下の相手に得点を積み上げ、決勝に至る道をコツコツ築き上げた功労者。リーガではなんだかんだブディミルより点を取っていないが、全然怪我をしないというのが何よりすごい。
コパ決勝ではスタメンなのか、ベンチスタートなのか。いずれにしても、困ったらコイツに放り込んでおけば大抵なんとかしてくれるので、縁の下で働ける王を見逃してほしくはない。
コパ決勝直前! 22-23 CAオサスナ選手まとめ①GK・DF編
コパ・デル・レイだ!決勝だ!2部以外では初のタイトルチャンスだ!ところで勝ったらチーム名に「レアル」ってつけられたりします?
GK ゴールキーパー
13. Aitor Fernández アイトール・フェルナンデス
組み立てうますぎマン。オサスナのレベルを一段上げた男。セルヒオ・エレーラでは考えられないパスをスペースにバンバン通していく様は爽快で、なんだか別のチーム見てるみたいでした。コパにはほぼ出ずリーガ専門で出場し、セービングは堅実そのもの、身体能力や守備範囲はそれほど広くないながらも来た球は止めまくる。
コパではスーパーマンの方が起用されそうではあるが、チームをタイトル挑戦へ導いたのはこの人とセルヒオ・エレーラのポジション争いがあったからこそ。オサスナの歴史に名を残すべき偉大なゴールキーパーである事に疑いの余地は無い。
1. Sergio Herrera セルヒオ・エレーラ
シーズン当初はポジション争いに負けてコパ専だったがアイトールとのポジション争いの結果、キックがやたら上手くなった身体能力お化けのスーパーマン系ゴールキーパー。人呼んでパラドンマン。
ポジション争いが無いとすぐ位置取りがクソになる性質があるが、優れた選手とポジションを争うとこれまたすぐに改善される単純なやつ。昨季は正キーパーの座が揺るがなく徐々にクソ化していったが、偉大なアイトールのおかげでマトモになり、現在はセルヒオ・エレーラ史上最高の出来映えとなっております。
アホみたいにPKに強く、他のキーパーならやられそうなシュートも止められる勝負強さもトーナメント向き、これまでベンゼマのPKを3本止めており、ベンゼマキラーとしての一面も持っている点も決勝という大一番では非常に心強い。
加入から6年、かつて2部でバカみたいな失点を繰り返したアホはもういない。
26. Pablo Valencia パブロ・バレンシア
生え抜き。出てない。がんばやで。
CB センターバック
5. David García ダビド・ガルシア
今年に入って人生初のスペイン代表に選出された、オサスナの新キャプテンであり史上最高のストッパー。他のセンターバックとは明らかに一線を隠すフィジカルと空中戦の強さ、カバーリングのセンス、点も取れるヘディングの技術、そして足の遅さが特徴。要塞そのもの。
オサスナが毎回10位付近にいられるのは何をどう考えてもこの人が他のチームに出て行かなかったおかげで、実際この人がいない試合は全く違う弱小チームになってしまうほど欠かせない最重要戦力であり、ファンはこの生え抜きディフェンダーに夢を見させてもらっている。
組み立て能力も目を見張る成長ぶりで、将来もしかしたらスペイン代表に定着するかもしれない。
オサスナがタイトルを獲れるとしたら、それはきっとダビド・ガルシアがいる今なのだ。
4. Unai García ウナイ・ガルシア
ダビガルの最高の相棒として今季大活躍だったが、ある時からアリダネにスタメンの座を譲ってしまったセンス特化の生え抜きセンターバック。どうやら膝の調子が良くなかったらしい。
ダビガルより組み立てがうまく、いるといないとではボール回しの精度が違うし、強力なアタッカーをやり込める技術とセンスが凄まじい。
イグアインとかヴィニシウスとか、マドリーの選手とはやたら衝突してきており、美しいプレースタイルに反する気の強さが決勝の場でどう出るか。出場機会はあるのか。最終ラインのガルシア・コンビが勝ち取るコパを夢想するのは悪くない。
23. Aridane Hernández アリダネ・エルナンデス
毎年サブっぽい立ち位置になりながらも、最終的にはなんだかんだ試合に出てるパワー型アフロ。出来ないことは無理にやらず、タッチラインギリギリでボール持ったらそのまま外に蹴り出したりするが、諦め方があまりにも潔いのでそれほど見ていてストレスは溜まらない。
セルヒオ・エレーラと同じく加入当初はどうしようもなくめちゃくちゃだったあのアフロが、大きなタイトルを争う試合に主力という立場で臨むのは感無量という他無い。マドリーのアタッカー達をみんな吹き飛ばしてくれ、俺たちの永遠のマスコット。
31. Jorge Herrando ホルヘ・エランド
直近のバルサ戦にスタメン出場した際、前半30分にも満たない内に退場した、生え抜きの長身左利きセンターバック。プリメーラ初出場は苦い思い出になってしまったが、まだ22歳だし、トップチームに左センターバックの控えもいない事だし、なんとか成長してほしいところ。なお来季は既にラージョのカテナが6年契約で内定しているらしく、相当成長しなきゃ左センターバックとしての地位も危うい。がんばれ。
SB サイドバック
15. Ruben Peña ルベン・ペーニャ
ビジャレアルからフリーで今シーズン加入。怪我で殆どいなかったが、戻って来たら抜群に上手くてビックリした。全然ボール奪われない。守備で手を使って止めてしまうのが玉に瑕で、イエロー累積で出場停止になりがちなのもよろしくないが、サイドバックとしてはかなりうまいので、守備固めがしたい時はサイドハーフに起用してお茶を濁す事も出来る。ウイングとしての攻撃力は普通以下だが。コパ決勝でもサイドハーフでスタメン起用が予想されるが、手の使い方には本当に、十分注意してほしいものだ。それさえなければちょっとしたTAAみたいなもんだし。
2. Nacho Vidal ナチョ・ビダル
昨季以前に比べ守備能力が飛躍的に向上し、W杯前まではペーニャが怪我したりイエロー貰いまくったりしてる間に絶対的なスタメンの座を掴んでいたが、怪我で数ヶ月離脱し、一時復帰するもコパ決勝直前でまたも怪我に泣かされ、メンバー外となってしまった。最近右サイドバックはかなり豊富に揃ってきているため、あまり離脱が長いと主力の座を奪われてしまうかもしれない。本当に怪我さえなければ……。
35. Diego Moreno ディエゴ・モレーノ
ペーニャとナチョ・ビダルが同時に離脱したので急遽トップに引き上げられた生え抜き。ボールを扱う技術や守備はまだまだだが、両足でそこそこの精度でシュートやクロスが出来る点、それを狙う積極性・攻撃的な姿勢は評価すべき。荒削りだが素材としては非常に面白いので、今後は非常に期待。決勝の雰囲気を味わって伸びてほしいが、試合に出て勝ってしまっても一向に構わん。
3. Juan Cruz ファン・クルス
かつてエストゥピニャンの後釜で獲得された守備的イケメンサイドバック。攻撃は未だにアレだが後ろ向きの走り合いにはめっぽう強い。ダビガルの怪我で久々にセンターバックをやらされたが、急造すぎて勘が全く戻っていなかった。2、3年センターバックとして試合に出てたら良い感じに成長してたかもね。
その守備能力の高さから強豪との試合では左サイドバックのスタメンになる割合が高く、コパ決勝でもスタメン最有力候補。顔が良いのでマドリーのファンを何人か寝返らせられるかもしれない。
39. Manu Sánchez マヌ・サンチェス
ここ数年いつもオサスナにいるので、保有元のアトレティコファンもそろそろ存在を忘れてきているのではなかろうか。オサスナファンも何人かはウチの子と勘違いしてそう。
でも直近の試合でやたら鋭く効果的なターンを披露し、そろそろ本気で実家に戻れるよう準備を始めているのかもしれない。もしここでライバルの首を土産に出来たら実家での立場も良くなるかもしれんな。
それはともかく、サイドバックとしては技術があり攻撃的なため、強い相手には左サイドハーフやウイングバックをやらされる傾向にあり、その辺でスタメン出場する可能性がある。今季でマヌとの旅もふたみに別れてしまうだろうが、出来るなら、その前に、互いの心にいつまでも残る栄光を。いつまでも残る歴史を。
②MF・FW編に続く
CAオサスナ21-22後半戦振り返り②MF・FW編
オサスナのプレーを見ていると、いつも頭に浮かぶ言葉がある。「下手」。
彼らは組み立てができない。プレスを受けるといつも、近くの味方によくわからない浮き球のパスのようなクリアを押しつける選手ばかりだ。それをしない選手はほとんどいない。効果的に攻撃するとか全く考えていないかのように、ボールを持ってすぐ味方の追いつけない場所に蹴っ飛ばす奴もいる。彼は一体何がしたいのだろうか。
彼らはボールを扱うプレーが基本的に苦手だ。自陣からポジショニングバランスを保ちながら運ぶとかマトモに見られる事がない。プレスかいくぐる技術が無い。だからよくわからない浮き球で逃げ、味方に悪い状況を押し付ける。なんでこいつら10位なんだリーガ終わってんだろ。
アラサテが悪いのか?そうかもしれない。ただ、そもそもボールプレーが苦手な奴らばっか集めてくる補強がおかしいとも言えないか。ドリブル突破しか狙わない(できない)奴が同時に2人も在籍していたのは流石にどうかしている。
もっとまともな選手が欲しい。ちゃんとボールを持って相手のポジショニングバランスを崩す駆け引きのできる技術を持った選手が欲しい。ただ、それには金が無い。金が無いから補強はフリーの選手、それもリーガ中位以下で戦略外になったような選手か降格チーのエースしか連れて来れない。とはいえモラーレスのような本物は不可能だ。相変わらずピーキーな選手ばかり連れてきて、なんとか使えるように四苦八苦する毎日。
それでも極稀にアビラ(怪我前)やモンカジョラのように、最初から使える奴か、ピーキーな選手がオールラウンドな活躍ができるように成長する例もある。ブラサナクやファン・クルスらはもはやチームで替えの効かない存在になりつつある。アラサテ再生工場とはこのことだ。
全く活躍できなかった選手が主力まで上り詰める様は感動すら覚えるが、それまでにどれだけストレスが溜まる事か。もちろん、使えるようにならなかった選手も少なくない。彼らはほとんど金を残さず去っていく。カルドナ、ブランドン、その他多くの若者達。ああ、再生するまでもなく活躍する選手がほしい。ホセ・カンパーニャが欲しい。ブライアン・ヒルが欲しい。エストゥピニャンが欲しい。金が無い。
彼らは来ない。スカッドにいるのはボールを宙に舞わせるのが得意な選手達ばかり。次のシーズンも、試合を見ながら「下手!」と思わず叫んでしまうだろう。しかし、それでも自分は試合を見ているだろうな。それも、38節とカップ戦の全てを。はあ。メッシとか来てくんないかなー。
MF
7 Jon Moncayola ジョン・モンカジョラ
魔法カード「死者蘇生」を発動!墓地からジョン・モンカジョラを特殊召喚!
されたかどうかは知らんが、後半戦で急に上手くなり、ピッチをそんなに彷徨わなくなった。
まず、ボールコントロールが異様に上手くなり、ショートパスの軌道も明らかに改善された。そのためアンカーに置いてもボールを奪われる心配が少なくなった。さらに以前より度々見せていたサイドの奥深くまで正確に届くロングフィードを安定的に出し続ける鬼になってしまった。亡霊からクラスアップ!
さすがにまだ自陣でボールコントロールが怪しくなったり、ワンタッチパスを相手にプレゼントしたり、ビルドアップ時プレスもかけられてないのに無駄にDFラインに落ちたり、スペースがある中での守備で相手ボールホルダーに並走して潰すなどパワーのある守備は見せられていないなどアンカーとして物足りない点はいくつかあるが、今ならそれも成長の余地として肯定的に見る事ができるようになった。
と、思ってたらビルバオの会長選で、この人の獲得が候補の公約に上がったり、実際クラブと合意があったとかの報道でファンは絶望の淵に叩き込まれていたが、今のところは特に何もなくオサスナでプレシーズンを過ごしている。一生オサスナファンの心を(良くも悪くも)動かし続ける男、それがジョン・モンカジョラなのだろうな。
24 Lucas Torró ルーカス・トロ
今まではオサスナファンの間では神でいられたのに、モンカが上手くなったせいでロングフィードの無さが物足りなく感じられるように。
まだモンカよりボール奪われないし、ボール奪取もポジショニングも良いので互角にポジションを争える。そもそもモンカと横に並んだり、モンカをインサイドハーフに置けば併用できるからな。ただ、アンカー(ワンボランチ)以外のモンカは未だに微妙、という大きな問題が待ち構えている。
28 Javi Martínez ハビ・マルティネス
90分間走れるようになって、もうちょっとボール奪われなくなって、インサイドハーフのスタメンを勝ち取れるようになったら、それはもうただのカソルラ。早く育ってくれ……。
8 Darco Brasabac ダルコ・ブラサナク
組み立てなど自陣でのプレーは成長の余地あり。でもやっぱプレッシング強いわね。
21 Inigo Pérez イニゴ・ペレス
ピーキーテクニシャンなカンテラーノ達の先生、遂に退団す。退団後はラージョでイラオラの右腕になったから実質引退なのだが、ビエルサの弟子コンビめっちゃ面白そう。色んな人から「こいつは指導者として上に行ける」って言われてるし今後も楽しみである。若くして引退したカンテラーノのミゲル・オラビデと試合中に川崎フロンターレの動画見たいな極短距離でワンツーパス回してた姿は忘れられない。本当にお疲れ様。
6 Oier Sanjurjo オイエル・サンフルホ
プレー時間が激減したキャプテン、人生初のCL出場という夢を追いかけキプロスへと旅立った。
オサスナの暗黒期をキャプテンとして支え、プリメーラに2度、そして19-20から現在まで中位で残留を果たす戦力的かつ精神的な原動力であり続けた偉人。オサスナでの最終年は組み立て能力の低さが災いして定位置はベンチになってしまったが、出場すれば謎の得点関与力でゴールを脅かす様はまさにグラディエーター。退団発表直後の試合で得点したのも懐かしい出来事として、これからファンの脳裏と魂に生涯刻みつけられるであろう。
オサスナ創設100周年のシーズンに主将を務めた歴史的な男は今まさに新天地でCL本戦出場を懸けて戦いに赴いている。頑張れ、我らが永遠のキャプテン。
11 Kike Barja キケ・バルハ
足が遅いので、インサイドハーフでフィットできれば良いのにねってずっと思っている。今のところ出たり出なかったりなのは恐らくそこで、アラサテはきっとチームがボールを失った時にこの人が戻りきれないのが怖いんだろうな。あとドリブルもある程度以上のサイドバックには通用しない。どうなる?
14 Ruben Garcia ルベン・ガルシア
最近点はちょこちょこ取れるようになってきたけど、サイドアタッカーとしてはやっぱり物足りない。突破力がほしいよ〜。
10 Roberto Torres ロベルト・トーレス
サイドハーフで出番を貰えなくなり、インサイドハーフにチャレンジする機会が増えてきた人。点さえ取れればもっと待遇も良かったかもしれんが、今のところはパウサが無いカナーレスと言ったところで、それほどサイドで価値を出せない。
なんか退団するとかの噂も有り、急な世代交代の嵐には困惑せざるを得ないが、とはいえ今のスカッドの中でまとまった出場時間を確保する未来が。ワンクラブ・マンが生まれ育った場所を去るのを見たくはないが……。
33 Iker Benito イケル・ベニート
バランスを保つためのピッチを上下動する機械としては合格、だが攻撃で未だ何かができるわけではなく。
FW
17 Ante Budimir アンテ・ブディミル
マジョルカから来たばかりの頃は足下でのボール扱いもパスもドリブル突破もロングボールの競り合いも守備も微妙だったのに、気が付いたら全部できるようになってた。その上チームで1番点が取れる!すげー!
クロアチア代表でも前線からの守備で賢く立ち回り、何度もボールを奪っていたし、FWとして定位置を掴んできていてすごい!オサスナからワールドカップへ!
9 Luis Ezequiel “Chimy” Ávila ルイス・エセキエル・"チミー"・アビラ
ボール失うだけだから絶対センターフォワードやらせちゃダメ。ウイングで戦力化!絶対!
18 Kike Garcia キケ・ガルシア
ブディミルが良すぎてスタメン起用が少なくなり、交代要員っぽくなってた。如何せん、キケガル十八番のロングボール競り合いでも互角になるほどブディミルがスーパーになり過ぎたのがな。
20 Ivan Barbero イバン・バルベーロ
前線でなんでもできそうで、なにもできなそう。
フィジカルは強いが出番貰えるのかは不明。
CAオサスナ21-22後半戦振り返り①GK・DF編
シーズン終わって結構経つし今更長々書いても仕方ないので、とりあえず印象が変わったやつだけ細かく書いていきます。本当は記憶が薄れてるだけ
GK
1 Sergio Herrera セルヒオ・エレーラ
止めるとこはちゃんと止めてくれますよね。でもそろそろポカが目立つようになり過ぎたので、新加入のアイトール・フェルナンデスとポジション争いをしながら色々と我が身を振り返って下さい。判断力さえ衰えなければいつまでも僕らのパラドンマン。
13 Juan Pérez ファン・ペレス
セルヒオ・エレーラの牙城をを脅かす事が一度もなく今年も終了。セグンダレベルならもしかしたら5本の指に入れるかもしれないが、試合に出なきゃしょうがない。
36Darío Ramos ダリオ・ラモス
全く出番なかった
DF
CBセンターバック
5 David Garcia ダビド・ガルシア
なんか言う必要ある?まあマドリーとかバルサとかアトレティコの正センターバックになるには全体的に足りん事も多いだろうが(例えばスペイン代表連中と比べたら足元うまくないのでプレスに弱かったりする)、少なくともリーガ10位のクラブに収まる器ではない。でもそこをなんとか収まっていて欲しいんだよな〜。神!
3 Juan Cruz ファン・クルス
左センターバック。お前の居場所はそこで、左サイドバックではもうないんだ。センターバックとしては組み立ても守備も強い、といえ印象は全く崩れなかったし、試合のコントロールという意味では守備的なアリダネ・ダビガルコンビを凌ぐ安定感がありました。とりあえず、某ペリオディスタは試合を見てから話してくれ。
4 Unai Garcia ウナイ・ガルシア
最近フベニールAのダニ・サンチョに吹き飛ばされてたし、そろそろプリメーラではキツいかもしれん。数年前はセグンダでダビガルと最強のセンターバックコンビを形成していたのに、どうしてこうなったのか。プレー時間もほとんど無いし、一度セグンダへ自分探しに出かけるべきかもしれない。ここ最近、18-19のプリメーラ昇格を支えたベテラン達が軒並みプレー時間を失っていく様を見せられているのがどうしようもなく寂しいのであった。
23 Aridane Hernández アリダネ・エルナンデス
あんまいなかったけど出たらやっぱ体強いし安定感あるわね。完全ドフリーならそこそこ良いフィード送れるのに、ちょっとでも邪魔されてるとダメになるのが愛おしい。バレンシアとかカディスに出てくとか言われてたけど、まだいる。嗚呼、青春のアフロヘアー。
31 Unai Dufurウナイ・デュフォル
出番ほぼ無し。
SBサイドバック
2 Nacho Vidal ナチョ・ビダル
攻撃天才、守備はそんなに。スタメン起用は未だ全然ありだが、せめて逆サイドは一対一の守備強いやつ獲ろうぜ。
32 Jesus Areso ヘスス・アレソ
ほぼ出番無し。
15 Jonás Ramalho ホナス・ラマーリョ
右サイトバックとしてセビージャ戦は神だったが、その後は全く出番無し。なんでやねん!とずっと思っていたが、ある日再び出てみたら全然良くなかった。フットボールにはこういう事がよくある。そして退団。うーん。
39 Manu Sánchez マヌ・サンチェス
サイドバックとしてはやたら司令塔の才能があるが、被カウンター時に絶対間に合わない所まで攻撃しに行く上に走り合いにとても弱い、この大まかな印象から全く変わる事なく時が過ぎた。
左センターバックがファン・クルスの間は攻め上がりが落ち着いていたが、そこがダビガルになったや否や右ウイングになってしまう。あれはあれで攻めの駒が弱いオサスナにとっては点を取るために重要なのかもしれんが、アクロバティックな解決策で満足していないで、まずは攻めの駒を獲ってほしい。そもそも22-23はマヌ来ないかもしれないのに。
16 Jose Angel “Cote” ホセ・アンヘル・"コテ"
意外とキープ力と突破力が(ちょっとだけ)あるのはいいことだが、そんなに局面が打開できる程でもない。あんまりスタメンで見たくはないなーと思って一年が過ぎました。
CAオサスナ21-22前半戦(?)振り返り②MF・FW編
半年前の試合内容ちゃんと覚えてる奴いる?いねえよなあ!!?(死)
(以下の内容は第28節終了時点の振り返りです。前半戦振り返りなどなかった、いいね?)
MF
24 Lucas Torró ルーカス・トロ
中盤の皇帝ルーカス・トロ、今シーズンは怪我がかなり少なくなって活躍しっぱなしである。オサスナ唯一のアンカーとして特に言う事のない活躍をしていて最高なのだが、敢えて指摘するならこの人にゴールが生まれた事だろうか。基本的にトロはゴール前まで上がってもシュートが全く枠に入らない人種なのだが、今シーズン前半戦では綺麗なボレーで得点もゲット。指摘というか褒めているだけなのだが、つまりこいつは最高なのだ。
7 Jon Moncayola ジョン・モンカジョラ
オサスナの中盤を彷徨う亡霊。東京五輪スペイン代表(いちおう2020年のほう)。たまにパス回しを先導したがったり、ゴール前までドリブルで特攻したり、ミドル撃ったりした時に存在が確認できる。点は取れるがポジショニングは壊滅的。インサイドハーフという名の劇薬。色んな意味でスケールが大きいが対人守備はそれほど強くなく、なんかもうよくわからん。サッカーIQは低そう。
五輪代表にいた時はパス回しに参加できず、ネガトラ時のフィルター役にもなれず、呼んだ意味が全くよくわからなかった。ぶっちゃけ五輪代表に呼ばれてからより一層下手になったような気がする(変に中盤でボール捌きたがったりとか)が、定かではない。全部デ・ラ・フエンテのせいにしたいな……。確実にアラサテのせいなんだが……。
28 Javi Martínez ハビ・マルティネス
上のやつと対照的で死ぬほどサッカーがうまいのだがアラサテにしっかり干された。左インサイドがベストポジションのはず(私見)なのだが今シーズンも右サイドハーフで使い倒される。
敵を引きつけてパス出したりターンで相手を剥がすのはできるのだが縦へのドリブルが無いので右サイドではつまってしまうのだが、左インサイドなら持ち前のプレービジョンとクイックネスを活かして攻守両面でゲームを支配できる。右足アウトで押し出すドリブルでの運びとスルーパスが最高である。
あとはもうちょっと体幹の真下くらいでボールを扱って、右足と左足をどちらでもボールを触れる状況を作り続けられれば神になれるはず。パチ・プニャル以来の神童として期待は大きい。でもスタミナが60分くらいで切れてそうなのは懸念。
8 Darco Brasabac ダルコ・ブラサナク
トランジションの申し子。Mr.ハイインテンシティ。相手ゴールライン上のイニエスタ。
守備が上手いのはハビマルと同じだが、ハビマルがポジショニングで相手の選択肢を潰しながら判断を誘導する「読みで勝つ」
タイプなのに対し、この人は「間合いを潰して奪う」タイプ。まずぶつかりに行く。そのタイミングが結構よいので奪えてしまうのだなあ。
中盤でボール持って何かが出来るタイプでは無いのが玉に瑕。後半戦では出番をハビマルに奪われつつある。今後どうする!?
21 Inigo Pérez イニゴ・ペレス
ペンチを暖める賢人。今シーズンはサイドハーフやサイドバックに駆り出される事も無く、単純に出番が無くなっている。出たら出たで直接FK決めてるし、中盤でボール持ってチームをコントロール出来るのでとても良いのだが、中盤はインテンシティ最優先のアラサテに干されまくっている。ハビマルと仲が良さそうだし、上手い人同士で良い影響を与えて欲しいので、出来ればずっといてほしいが……。
6 Oier Sanjurjo オイエル・サンフルホ
干されたキャプテン。終盤で投入され、それっぽいチャンスを生み出す達人。干されすぎてキャプテンなのに今後の契約をメディアに心配されている。まあブラサナクを5倍は尖らせたようなBox to Boxなので後進が育ってきた分使い途が……。でもまだ余裕で90分間走れそうではある。
11 Kike Barja キケ・バルハ
干された生え抜きシリーズの中でも今後最も実力に見合わない扱いを受けそうなドリブラー。
オサスナで唯一、大外で対面のDFをドリブルで突破できるウイングなのだが、後半戦に近づくにつれめっきり使われなくなった。
わりと攻撃の貢献度ではめちゃくちゃなアビラが右サイドで好んで使われているのは、アラサテがサイドアタッカーにドリブル突破よりもスピード溢れる上下動を求めているからだろうか(キケ・バルハは短距離のステップは異常に歩幅が大きく速いがスプリントは速くない)。どんだけインテンシティの求道者やってんねん……。
14 Ruben Garcia ルベン・ガルシア
点が取れなくなったジョーカーは、ドリブル突破が無い分ピーキーな左サイドバックのお守りというか、ほとんど左ウイングバックというか、偽サイドハーフという名の変態ヒールパスおじさんでしかないのである。それでもボールキープと空中戦とクロスで戦えるためオサスナでは常に左サイドハーフのスタメンを維持しているのだが、それだけじゃ今後つらいよなーと思いつつ前半戦で決定機を外し続けるルベン・ガルシアを眺めていた。でもまあ後半戦では待望の得点が取れたのでそこそこ安心。あれはいいミドルでしたね。
10 Roberto Torres ロベルト・トーレス
干された生え抜きシリーズ。とうとう出番がもらえなくなってしまった移動砲台。出たら出たでやっぱり上手いしキックは最高なのでまだ全然やれそうではある。頑張れウチのワンクラブ・マン……!。
33 Iker Benito イケル・ベニート
前半戦では特に出番は無かったが、後半戦に入ると出番が貰えるようになってきて、遂にトップチームで先輩キケ・バルハを抑えてスタメンデビュー。足が速くてドリブル突破に期待が持て、バルサ相手にもなんとかやれそうな雰囲気は見せていた。問題は守備のスペース管理と「本当に攻撃で使い物になるのか?」という点で、実際プロメサス(Bチーム)の監督にも「最後ゴール前でのプレーがお粗末」と言われているし、ここからが正念場である。4部の試合では雰囲気が1人だけ明らかに異質な感じを出していたので期待はできる。
FW
9 Luis Ezequiel “Chimy” Ávila ルイス・エセキエル・"チミー"・アビラ
相手を背負ってキープが出来なくなり、空中戦は弱く、前線でボールを収めるポスト仕事が全く出来なくなってしまったかつてのエース。ピッチ中央でプレーする技術も無いため前半戦では遂に右サイドハーフに回されてしまったが、もともと守備で走り続けることを厭わない選手なので上下動での貢献度はすさまじい。でもボール持ったらすぐチャンスを作ろうとしすぎてボールを簡単に失う事がしばしば。それでも得点感覚は失わず、28節現在では4ゴールを記録しチーム内得点ランキング同率2位(もう1人はダビガル)。
大怪我を引き起こす原因にもなったポストプレーという呪縛から解放され、ドリブル突破も会得しそうな片鱗を見せるアビラ。不死鳥は再び翼を得たか。
18 Kike Garcia キケ・ガルシア
今シーズン最強の補強。ロングボール全部競り勝つマン。それでいて28節現在、5ゴールでチーム内得点王。我らが王よ……。
最初の方では左サイドで起用され、マンジュキッチでもやらされるのかと思ったが早々に見られなくなり、ワントップや2トップの一角で完全にスタメン定着。
かと思いきや途中ブディミルに何試合かスタメンを奪われていたが、そのブディミルが空中戦もポストプレーも得点もできず微妙な感じになっており、27節から再びスタメンに返り咲いている。
まあそもそもFWにポストプレーとかロングボールに競り勝つとかが求められるのはオサスナのビルドアップが死ぬほど下手なせいだが、まあ出来ないものは出来ないのでしょうがない。とはいえ、キケガルがいない試合など考えたくもない。
17 Ante Budimir アンテ・ブディミル
800万ユーロの3回分割マン、そこそこ使われてるにも関わらず得点数は28節時点でたったの2。センターバックより少ない。上でちょろっと書いたが、得点以外の仕事も本当に出来ていない。守備でも動きが遅いし……。
20 Ivan Barbero イバン・バルベーロ
干された生え抜きシリーズFW編。大型で、ブディミルよりは色々できそうだが、実際にできるところはそれほど見られていない。ブディミルの去就次第では出ていくかもしれないが、そうなったらファンは怒るだろうな……。勿論ワシも怒るぞい。
オサスナを去った人々
(レンタル、終了後にフリー移籍)
Jaume Grauジャウメ・グラウ
MFとしての技術は間違いなくあったが、線が細く、それでいてプレーも直線的過ぎた(ような気がする)が、そんなに出てないので評価は定かではない。でも多分ハビマルみたいにゲームを支配できるプレースタイルでは未だなく、プレーはピーキーである。サラゴサにフリーで移籍はやむなしか。
(レンタル)
Rober Ibáñezロベル・イバニェス
ドリプンテ師匠、全く使われず。面白そうだからちょっと使ってみて欲しかったな。ドリブルだけは死ぬほどすごいので……。
(レンタル終了)
Javi Ontiverosハビ・オンティべロス
ウイングだと思ってたらトップ下だった。でも攻撃でそれほど違いを生み出さないので非常に微妙である。せめて縦へのドリブル突破か筋肉があればな〜。
CAオサスナ21-22前半戦振り返り①GK・DF編
前半戦最初の神がかった連勝で一時は2位に浮上(!!)したものの、その後ちゃんと連敗を繰り返していつもの位置に収まりました。
でもその「いつもの位置」が降格圏とかその辺スレスレじゃないだけ幸せだろ……?なあ、おい……何とか言ってくれよ……。
オサスナ公式サイト
Plantilla Club Atlético Osasuna | CA Osasuna - Web Oficial
Trasfermarkt
CA Osasuna - Detailed squad 21/22 | Transfermarkt
GK
1 Sergio Herrera セルヒオ・エレーラ
グラナダ戦とかでクソみたいな失点を喫するなど、未だにやらかし癖が治らないスーパーマン型GK。一回ルベン・マルティネスを呼んで喝を入れてもらって欲しい。
やらかしが無い時はPK止めたり、スーパーセーブ連発してオサスナのクソサッカーを支えているチームMVP級の救世主と言っても過言では無い。あとはやらかしさえ無ければ……。がしかし三つ子の魂百までという言葉があるようにその辺は期待が持てないので、とにかく今いるうちは有り難がっておきましょう。南無。
13 Juan Pérez ファン・ペレス
試合に出ればスーパーセーブも見せるし、足元もうまいんだけど、全体的になんか足りない生え抜きの第2GK。パンチングが飛ばずにピンチになったりとか。そろそろ良い歳になってきたのだが、そろそろプリメーラ主力級の安定感が欲しいものである……。
36Darío Ramos ダリオ・ラモス
基本はプロメサス(Bチーム)でやってる人、最近トップチームの試合メンバーに入るようになった。なお、トップチームの試合はほぼ出てない。最近は怪我したのか招集すらもされていない。
DF
CBセンターバック
5 David Garcia ダビド・ガルシア
オサスナで最もスペイン代表に近い男、人呼んでディフェンディング大明神(誰も呼んでない)。前半戦でもリーガのどんなFW大体抑えてしまっていたので、何でまだオサスナにいるのかさっぱりわからない。
両足のフィードは正確で、カバーリングをすれば余裕すら見えるほど安全に防ぎきり、空中戦は無敵で、スピードでもそれほど走り負けしない。もしスペイン代表にラポルトとパウ・トーレスがいなけりゃレギュラーで試合に出続けていても何の不思議もないのに呼ばれすらしない。エリック・ガルシアより評価が低いだと……!?
ルイス・エンリケはDFもスペイン代表のパスワークについていけるがどうかで選んでいる節があるので、パスワークもへったくれもないオサスナでプレーしているダビガルにその辺の適性を見出していないのが問題なのではないか。守備能力では負けないはずなのに……ぐぬぬ……。
どんなにアラサテのサッカーがクソで、どれだけ策が嵌まらなくてもこの人がいれば降格する気はありませんが、そんな選手がいて上位争いを望めないのは逆に悲しいばかりである。
3 Juan Cruz ファン・クルス
コテ獲った!マヌも戻ってきた!あれ?ファン・クルスの居場所は!?とうとう放出候補に……!?
なりませんでしたね。セグンダで鬼のようにアシストを重ねた名選手は、人員が溢れた左サイドバックからついにセンターバックにコンバート。殆どやった事ないはずなのに大丈夫か!?と思いきや、3バックの左どころかウナイ・ガルシアやアリダネを抑え4バックの左CBのスタメンに定着してしまった。
サイドバックの位置ではキープ力とパス能力の無さで虚無しか生まなかったが、センターバックの位置に下がると急に誰よりも頼れるボールプレイングCBへと変貌。やたらパスを通すし、ドリブルで持ち上がっても全く奪われない安心さ。もちろん守備でも異常に強い空中戦、サイドバックとしてのスピードが◎。フィジカルも強い。たまにCBとしての守備のセオリーが欠如したプレーを見せる度に、「あと5年早くセンターバックをやっていればもっと上にいけたのではないか?」とプリメーラ諸クラブのSDの見る目のなさに憤りを抑えきれませんね。
顔もイケメンで非の打ち所がないオサスナのパオロ・マルディーニ、オサスナ唯一の左利きセンターバックとして、このまま看板選手になってくれると良いですね。がんばれ!
4 Unai Garcia ウナイ・ガルシア
特に問題があったわけではないが、ファン・クルスが良すぎたためにベンチへ移動。地上戦の守備技術は最強なのだが、たぶんフィジカルとスピードがファン・クルスに劣ってるからだと思う。
出たら出たで死ぬほどうまい組み立てとボールキープが見られるので、出来れば毎試合見たいところではある。
23 Aridane Hernández アリダネ・エルナンデス
俺たちのアフロ、今シーズンは怪我に泣かされる。
バレンシアのボルダラスがめっちゃ獲得を熱望していたらしいが、結局お流れ。
トレードマークのアフロもラマーリョに微妙にパクられ、存在意義を失いかけている。復帰が待たれる。
31 Unai Dufurウナイ・デュフォル
プロメサス(Bチーム)からの動員。ボールプレーは期待が持てるが、動きが結構めちゃくちゃなのでとても微妙。成長してほしい。
SBサイドバック
2 Nacho Vidal ナチョ・ビダル
いつも通り天才的にうまかったナチョ・ビダル。でもオープンスペースの走り合いに弱いので、もしかしたら今後ラマーリョにポジションを奪われるかも?どうなんでしょうか……。
32 Jesus Areso ヘスス・アレソ
フィジカルとスピードだけが友達の未完成系右サイドバック。怪我で長期離脱中。その間にラマーリョが台頭して序列が3番目くらいになりそう。
今のところは技術的に優れている部分が他の2人に比べてそれほど無いので、どんな風に勝負するのか楽しみ。とりあえずは元気に戻ってきてほしいものですね。
15 Jonás Ramalho ホナス・ラマーリョ
前半戦は特に何もしていないので本来は言う事がないのだが、後半戦のセビージャ戦で急に覚醒。とてもビビった。
これまでは右サイドバックで出ようがセンターバックで出ようが「いて欲しい時にいて欲しい場所に必ずいない」「守備が異常に軽い」「攻め上がっても脅威がナチョ・ビダル程は無い」と良いところが殆どなかった(どっかでロベルト・トーレスと右サイド組んだ時だけはやたらコンビネーションが良かった)。
しかしセビージャ戦で右サイドバックとして起用されると、基本的にDFラインの位置から上がらず「いて欲しい時に必ずいる」ポジショニングを貫徹。ドリブルは止め、パスはカットし、空中戦でも弾き飛ばし、走り合いにも全く引けを取らない。どこのカイル・ウォーカーだよ。
組み立てもスムーズで、味方に充分なスペースを与えた上で綺麗なパスをつける。相手がミスしたロングパスをワンタッチで華麗にコントロールし次のプレーに繋げるなど、技術的にも素晴らしかった。
もともとフィジカルの強さとスピードには定評があったはずなので、今は本来のポテンシャルを発揮しているだけとも言えるが、これまで誰も矯正できなかったのは恐ろしい。出会いは大事ですね……。
アラサテ再生工場、21-22冬の新作。是非お試しあれ。
39 Manu Sánchez マヌ・サンチェス
マーヌマーヌマヌ、オサスナの子。だよな?な?な?
みんな大好きマヌ・サンチェス、今シーズンもオサスナの左サイドバックで1番良い。良すぎてたまにサイドハーフもやらされる。やめろ!
守備時にわけわからん場所にいる事が少なくなってきたが、ちゃんと左サイドを守っている事で逆にスピード勝負についていけない場面が見られる回数は増えている。まあ、死ぬほどうまいからいっか……(親バカ)。
後半戦もルベン・ガルシアとかと楽しく相手の左サイドを破壊して欲しい。
16 Jose Angel “Cote” ホセ・アンヘル・"コテ"
右足全く使えないマン。やたらすごいロングシュートのゴラッソやアーリークロスでのアシストを一つずつ見せた後は特にどうということも無かった。左サイドの後ろの方でボール持った時に左足を切られるとキーパーに下げるしか無いので、そういう時はコテにパスを出さないであげてほしい。お兄さんとの約束だぞ。
CAオサスナ 20-21後半戦振り返り②MF・FW編
"Este mensaje es para todos los que sentís este escudo como un símbolo de resistencia. La historia ha cambiado. Vamos a plantar cara. Vamos a luchar por aquello que es nuestro. Y esta vez vamos a disfrutar a lo grande”.
歴史は変わった。
CMF セントラル・ミッドフィルダー
6 Oier Sanjurjo オイエル・サンフルホ(34)
後半戦に入ってからは怪我なり何なりで出場時間もまばらになってた我らがキャプテン。謎の得点創出能力も活かされる事なくシーズンを終えてしまった。
モンカジョラの成長、トロとブラサナクの復活、ハビマルの台頭などポジション争いも激化している昨今のオサスナの中盤事情でありますが、どうしても点が欲しい後半35分頃にもっとも頼りになるのは今でもやっぱりこの男。敵をブン殴る勢いでかぶりつくような守備をする姿からも衰えは全く感じられず、4-1-4-1でインサイドハーフをやるようになってからは成長すら感じられる。生涯現役やで。
27 Jon Moncayola ジョン・モンカジョラ(23)
プリメーラ36試合出場、時間にして2600分以上。東京五輪スペイン代表。そして、前代未聞の10年契約。これは夢なのだろうか?いや、これら全ては20-21に、モンカジョラに関して起きた実際の出来事なのである。え、やっぱり夢か?いや(以下無限ループ)。
異常に強いフィジカルコンタクトや落ち着いた守備対応、そして「サン・フェルミンの牛追い」と表現したくなるほどの凄まじい推進力を持ったドリブル(意訳:勢いは凄いがボールに走らされてる)はもちろん健在。
ちょっと前までパスに異常な回転がかかって最悪のバウンドを味方に処理させていたのに、気が付いたら回転も軌道もめちゃくちゃ綺麗なグラウンダーパスを蹴るようになっていた。ロングパスの精度もグングン上がっており、ドンドン市場価値の上がる音が聞こえてきますね。
もともと鋭く強いミドルシュートを持っていたが、最近はペナ前からスーパーボレーを決めたりとキャプテンの持っている謎の得点能力まで身につけようとしている。どこまで行く気だ?
あとは狭いスペースでボールを扱う技術が育てばアンカーとしてもルーカス・トロを超えていくのではなかろうか。革命の時は近い。
8 Darco Brasanac ダルコ・ブラサナク(29)
怪我から復帰したらチンピラ辞めてイニエスタになってた。そんな更生ってある???
前半戦は殆どの試合を棒に振ったセルビア人のこの人であったが、復帰した24節セビージャ戦以降は15節あって11試合出場5試合フル出場、監督が相手に応じてやたらと選手を入れ替えるしターンオーバーもジャンジャンやるアラサテというのを考えれば、怪我明けにしては重用された方ではないでしょうか。
そして何より復帰後のパフォーマンス。散々「創造性が無い」と言われ続けてきたのを根に持っていたのか、33節エルチェ戦で敵陣ゴールライン上でドリブルを仕掛けオウンゴールを誘発したマジックプレーを筆頭にテクニカルな一面を存分に見せつけた。もはや「セルビアの魔術師」と呼んでも差し支えは無いのではないか?代表に呼べ……。
2023年までオサスナとの契約が延長された事で何かしらの憑き物が落ちたのだろうか。真相は闇の中である。
21 Iñigo Pérez イニゴ・ペレス(33)
怪我で後半戦は殆どを欠場。中盤中央のポジション争いが激化していく中で、角刈りの賢人はどのような未来を見据えているのか。
アラサテに対するインタビューで「将来コーチになりそうな選手」として挙げられており、対戦相手の分析動画やデータを自主的に貰いにいっていることが明らかにされた。マルセロ・ビエルサの教え子、行先は如何に。
24 Lucas Torró ルーカス・トロ(27)
Q.何故オサスナは一度最下位に落ちたのに、11位でフィニッシュできたの?
A.ルーカス・トロがアンカーに置かれたから。
とにかくボールを刈り取る、とにかく敵のパスを絡めとる、とにかくボールをキープする、とにかくハイボールを競り勝つ、など後半戦は完璧すぎるパフォーマンスでした。後半戦は殆ど全試合出場ですごい。基本的にピンボール状態のオサスナだけど、この人がいるだけでボールの動きが落ち着くから不思議。天才ですね。
埋めるべきスペースを埋め、敵のパスコース・ドリブルコースをキッチリ追い込み、ボール奪取に繋げる賢さ、異常なほどしなやかでよく伸びよく曲がる身体から繰り出す美しいパス、そして極小のスペースでボールを扱い、敵を引きつけ味方を助ける様はその様はまさに皇帝と呼ぶに相応しい……嗚呼現代のフランツ・ベッケンバウアー……。
その代わり移動速度がマジで遅いのが大いなる欠点で、動き回る必要がある相手との対戦ではモンカジョラにポジションを明け渡すことも。
ダブルボランチの一角としては微妙だが、とはいえ依然としてアンカーでは最優のプレーヤー。セビージャに行くとか行かないとかの噂もあったが、絶対に行かないで下さいね。マジで泣くので……。
28 Javi Martínez ハビ・マルティネス(21)
ファンから常に「ハビマルを出せ!」の合唱を受けていたであろう(妄想)アラサテだが、ぶっちゃけ出場時間は大して多くならなかった。その中でトップチーム初ゴール、プリメーラ初ゴール、エル・サダルでの初ゴールを決め、カタールに渡った先代ハビマルの名を継いで「当代ハビマルこれにあり!」と世界のサッカーファンへ名乗りを上げた(妄想)。
フォワードとサイドハーフをクビになってインサイドハーフとして開花したはずだが、意外と4-4-2の右サイドハーフをやっても普通に良かったりしてホクホクである。
何にしろ動きが機敏で、アグレッシブにボールを奪いに行ったらガンガン身体を捻じ込んで相手ボールホルダーにジャンジャン嫌がらせをするし、奪ってからもちゃんと上手い。あとはもう少し筋肉がつけば、チミー・アビラを首魁としたゲーゲンプレス・オサスナがプリメーラを席巻する事間違い無い(妄想)。
29 Aimar Oroz アイマール・オロス(19)
プロメサス監督のサンティ・カスティジェホに「死ぬほどサッカーがうまいがマジで筋肉が足りん(※悪意のある意訳)」と評されていたオサスナの希望の星。あとゴールやアシストにもっと絡めってさ。なんかライプツィヒがほしいって言ったとか言ってないとか与太話が流れていたが、確かにボールに襲い掛かって奪いに行くのもめちゃくちゃ上手い。ちゃんと育ってくれよ……。
SMF サイドハーフ
10 Roberto Torres ロベルト・トーレス(32)
後半戦では流れの中で決定的な仕事がそんなに出来ず、クロスもシュートも精度が上がっていかない中で徐々にプレー時間を減らしていたが、それでも後半戦だけでPKを3つも沈めているあたりは流石。
クロスも正確でドリブルもフィニッシュワークも出来るキケ・バルハに主力の座を奪われかけている印象があるが、相棒のアビラが帰還した事でこの人の卓越したロングパスアシストのセンスが活かされる事は確実。まだまだ衰える年齢では無いですよ!
14 Ruben García ルベン・ガルシア(28)
上の人と同じくらいフィニッシュ付近での精度が思わしくなかった護国の騎士様。左サイドでボール持った時にキープ以外はわりと何も出来なくなるのだが、やたらと通るヒールパスがあるおかげで何とか駆け引きを成立させる様が散見されていた。やっぱりサイドアタッカーでは無いんだよな〜この人は。中央や右サイドに流れてナンボ。得点に繋がるチャンスを作ったのもほぼヒールパスだったりする。あと相変わらずロングボール受けるの強すぎて笑えました。
1番面白かったのは唐突にスポットで左ウイングバックをやらされていたシーズン後半のアトレティコ戦で、頑張って左サイドを上下動しながらクロスでキッチリアシストも決めててビックリしました。特にもう一度見たくは無いが。
なんだかんだシーズン後半になるにつれて体のキレもかなり良くなっていったし、アビラとキケガル主体で無限にゲーゲンプレスをかけそうな21-22は19-20前半みたく大爆発する予感。
11 Kike Barja キケ・バルハ(24)
後半戦が進むにつれ、どんどん出場時間を増やしていった生え抜きドリブラー。ある試合では右サイドからアーリークロスでアシスト、ある試合では左サイドをドリブルで押し込み、またある試合ではトップ下としてブスケツをシバくなど多様な価値を見せ続けている。あと最近プレーメーカー的な才能を徐々に見せるようになっており、ポジトラ時でも中盤の底から見事にプレスをかわして前線にボールを供給するなどしていた。ポリバレント過ぎでは……?
なんだかんだ左サイドが1番得意そうではあるが、それもドリブルが通用すればの話ではあるので今後もポジション固定でなく相手によって色んな位置を任されそう。
極東の一ファンとしても、オサスナで育ってきたキケ・バルハがプリメーラで対戦相手の脅威となっている姿を見るのはこの上なく嬉しい。結構緑色のユニフォームが似合う所もポイントだ。買いだね!
7 Jony ジョニー(29)
前半戦での大外上下動ドリブルクロスマシーンとは打って変わってクリエイティブなスルーパスやボールキープを見せるようになり、回転しながら華麗なアシストを決める姿はまさにファンタジスタ。昔のプレー集とか見ても元々こういうタイプだと思うんだけど、一体ラツィオでどんなかわいがりを受けたらこんな風にプレースタイルが歪んでしまうのだろうか……こわ……。
とにかくインサイドに入ってチャンスメイクに絡む姿は見てて面白かったので次シーズンも見たくはあったがあえなくレンタル終了。ラツィオに戻っても自分を見失わないで頑張れ……。
FW フォワード
17 Ante Budimir アンテ・ブディミル(30)
2桁取った。えらい!でもユーロでは干された。あれはきっと監督がおかしいんや……。
典型的なボックスストライカー(もちろん利き足は頭)として、とりあえず良いボールを送っとけば点取ってくれるので非常にありがたかった。機械のように正確なクロスを上げるマヌ・サンチェスとのホットラインが来年見られないのは寂しいが、その辺はキケ・バルハのアシストに期待。新たなホットラインを作り上げてほしい。
来年はアビラ、キケガルといった2桁とるマン達とのポジション争いが発生し、絶対的主力のアビラの横で機敏かつ激しくゲーゲンプレスに参加しながら奪って速攻を仕掛ける、という面ではキケガルに及ばないのでやや劣勢かもしれない。でもまあ監督がアラサテなのでそればっかやるわけでないし、とりあえずロングボール放りまくる撤退戦みたいな試合が必ずあるので、そういう時に流れでなんとなーくゴールを決めてくれれば。
"Somos contentos.(意訳:オサスナで幸せ)"という発言が獲得時の動画でキーワードとして採用されたのもこのシーズンのハイライト。みんなオサスナで幸せになろうよ……?
9 Ezequiel "Chimy" Ávila エセキエル・"チミー"・アビラ(27)
チミー・アビラが帰ってきた!
1年間で2度にわたる前十字靭帯の損傷からついに復帰、このニュースだけでオサスナファンの目に光を灯す事が出来たので、出場時間が8試合で200分に満たないとはいえ充分すぎる働きを見せたのでは無いでしょうか。みんなが君を待っていた……。
復帰後間も無くめちゃくちゃ短い出場時間の中でもチミーはチミーらしく激しいボールチェイスを見せていたが、このシーズンではかつての激しさを取り戻す事が出来ず。得点能力も19-20前半で見せた脅威を取り戻す事が出来なかった。その中でもアラサテはショートやミドルも含めてパスセンスが高く、攻守に良く走るというアビラの特徴に目を付けたのか、サイドハーフで起用する事も。まあリハビリの一環でしょう。
既に21-22シーズンに入ってしまったわけなのですが、プレシーズンマッチでは得点感覚・プレーの精度・動きの激しさとどれをとってもかつてのアビラと同じレベルに仕上がっており、完全復活を遂げた模様。このシーズンはチミー・アビラがラ・リーガに嵐を巻き起こす。
16 Jonathan Calleri ジョナタン・カレリ(27)
ボールを持った時に、「相手DFに背中向けてボールキープ」以外が殆ど出来ないことが発覚。相撲専用機でした。ゴールパターンも結局「目の前に転がってきたボールをダイレクトで思いっきり蹴り込む」しかなくて本当にビビった。シュートの前に一回でもボールに触ると自分でチャンスをダメにしていく姿は非常に歯痒かった。今後は新田師匠からランニングボレーも教わっていきましょう。
とはいえ、それでもシーズントータルで5点決めてるのでだいぶ残留に貢献してくれたほうではある。めちゃくちゃ助かりました……。
降格の恐怖に沈む1月、ファンに希望の光を見せてくれたカレリであるが、契約がややこしいことになっているみたいで、獲得はせずそのままレンタル終了。果たしてカレリは安住の地を見つけられるのだろうか……。
20 Adrian López アドリアン・ロペス(33)
万能超人も遂に契約終了。本当にうまかったが、後半戦はほぼ出番がなかった。うそーん。
1ゴール1アシストと数字の上では振るわない成績だが、前半戦のゴール集見てると結構な頻度でアドリアンがチャンスメイクしており、まさしくオサスナのリトル・ギガントであった。
思い返せば、絶対に負けられないオサスナのクラブ創設100周年記念試合となったビルバオ戦で決勝点となる重要なPKをもぎ取ったのもこの人のパス。この勝利がコロナ禍にあえぐオサスナファンをどれだけ勇気づけた事だろうか……。
永遠に語り継がれるであろう、光り輝く思い出をもたらした仕事人よ、オサスナの歴史はこれからもアドリアン・ロペスと共にある。
19 Enric Gallego エンリク・ガジェゴ(34)
シーズン最終盤になるとようやくゴールかアシスト決めるマン。しかもやたら上手くて困る。シーズン初めからそれをやってくれればこんなに苦しまなくて済んだのに……。
アビラ、キケガル、ブディミルと2桁得点取るマンが3人もいて生え抜きのバルベーロも台頭してきた今となってはぶっちゃけ放出候補だが、エイバル移籍の噂はとうに立ち消え。今後はどうするんでしょうか。セグンダなら確実に無双できる能力を持ってはいるのだが……。