CAオサスナ_活動記録

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CAオサスナ 20-21前半戦振り返り①GK・DF編

 チミー・アビラの前十字靭帯損傷から始まったお先真っ暗の20-21シーズン、現在の順位は19位。オサスナファンの皆さん、元気ですか?そんなわけないだろバカか。

 

  10位で終えた昨シーズン、「これアビラが戻ってきたらELくらいは行けるんちゃうか?」と沸き立つファンを尻目にブラウリオが「いやウチの目標は飽くまで残留だから」と宣っていたその意味がどんなにポジティブな人にもじんわりと骨身に染みる感じで伝わっているのではないでしょうか。「いやお前の編成が悪いせいだろ」と言いたくなる気持ちをなんとかギリギリで我慢しつつブログに書いてしまったりして日々を過ごしていると、人生とは何かについて考えたりしちゃいますね。悪い事ってちゃんと起こるよなぁとか、ついでに重なって起きてくれちゃったりするよなぁとか。まあアビラの長期再離脱とかイージーミスからの失点で勝ち試合を落としたりとかその辺なんですけど、なかなかね。

 

 序盤は昨シーズンのやり方を引き継いで4-4-2ロングボール&プレッシング、最初のうちはこれで上手くいっていたのに徐々に雲行きが怪しくなり、4-3-3対策の5-3-2すらも粉砕され、段々とアラサテも焦ってきていたのか雑にロングボールを放り込み続けて運良くボールが前に運べるのを期待しつつ、その先でジョニーのクロスがブディミル&ガジェゴの電柱2本の頭に合うのを祈るだけ!みたいな本当のアンチフットボールでボールを無駄に失いながら順調に勝ち点を逃していた(なのにクラブ創立100周年記念のビルバオ戦だけちゃっかり勝っている)。

 

 ただ、ソシエダ戦で急遽採用した4-1-4-1がうまいことハマり、中でもカレリ、ルーカス・トロ、ハビ・マルティネスの3人の活躍によって19世紀のサッカーから脱却し、マトモに現代プロサッカーの試合を演じられるように。戦績は4戦3分1敗とまあぶっちゃけ奮わないのだが、「神に祈らなくてもちゃんと守れる」「運任せではなくちゃんとボールを前に運べる」というだけマシであり、それどころか上位のチームとやってもマトモにやれそうな雰囲気も漂ってきてはいるので(漂っているだけだが)、4-1-4-1がうまく行き続けてくれれば後半戦は期待出来るのではないか。

 

 しかし、4-1-4-1ではブディミルやガジェゴがカレリの代替にならず実質チームにFWが1人しかない状態であるとか、それなのに1/24時点でも加入選手はマヌ・サンチェス1人のみ(しかも今の戦い方には合わない可能性がある)だとか、そもそもブラウリオが「サプライズを除いて加入は多分ない」とか宣ったりだとか、編成面の問題が全く解消される気配が無い。

また、バレンシア戦ではサイドに人数をかけられると4-1-4-1では耐えきれないなど、戦術的にも不安要素が拭い切れていない。そのうち5-5-0みたく完全に引き篭もりそう。

 

 アビラの復帰は3月以降になると言われているが、果たしてそれまでに降格確定を避けられるのか(そもそもアビラが戻ってきたとして昨シーズンと同等の活躍が出来るのか)。結局のところ一極東のファンとしてはTwitterにキケ・バルハの扱いについて文句を呟いたり、相手がビルドアップを失敗するのを神に祈るしかないのである。

 

 

 (この記事の前書きは20節グラナダ戦の前、選手個別のはグラナダ戦後に書いています。)

 



GK ゴールキーパー

 

 

 

1 Sergio Herrera セルヒオ・エレーラ(27)

 基本的には守護神として獅子奮迅の活躍。たまに以前のギャンブル癖が顔を出してしまいゴールをお留守にしてしまうのもなくはないが、まあ依存症とは完治しないし一生かけて付き合っていく必要があるものなのでしょうがない。

 

 リーガの他のクラブも大体それなりのレベルのGKは揃えているので引き抜きの心配はあまりないのだが(バスク人じゃないし)、ヘタフェあたりに引き抜かれたらまあ泣くかな……。

 

 

13 Rubén Martinez ルベン・マルティネス (36)

 


 常に冷静沈着な賢人も今シーズンは完全に2nd。セルヒオ・エレーラの離脱時に急遽ゴールマウスに立つ事になったが、背番号1の人の判断力が向上した今となっては身体能力やキック精度の不足が目立つようになってしまった。

 

 とはいえ、セルヒオ・エレーラが復帰してからも暫く出場を続けていたので、アラサテからの信頼はなかなか厚いのだろう。でも現在は怪我で離脱中、復帰が待たれる。

 

 

26 Juan Pérez ファン・ペレス(24)

  

 

 コパでちょくちょく試合に出ていた生え抜きの3rd。ハイライトとか見た限りでは3番手として置いておくにはもったいないセーブ力を持っているのだが、ルベン・マルティネスの離脱中なんかは「いざと言う時にはファン・ペレスがいる」と安心感がすごいので、できることならこれからもずっとオサスナにいて欲しい。


 というかルベン・マルティネスも30代後半なので、否が応でも出場機会は増えてくるはず。今のうちに色々学んどきなよ。

 

 

37 Iñaki Álvarez イニャキ・アルバレス(23)


GKクライシスが起きてる時にトップチームに呼ばれたり呼ばれなかったりするプロメサス(Bチーム)の正GKだったりそうじゃなかったりする人。今シーズンもトップでの出場は無いと思われるが、あったら色々ヤバい。


 

35 Ivan Martinez イバン・マルティネス(19)


スペインのU19代表正GK、トップチームでGKが怪我した時に呼ばれたり呼ばれなかったりしている。正直なところイニャキ・アルバレスとの序列は謎。



 

 

CB センターバック  

 

5 David García ダビ・ガルシア(26)



 オサスナでアビラの次かそれと同じくらい代えの効かない右利きの左CB。今シーズンは右CBの人々が悉くやらかして失点を重ねていく中で粛々とロングボールやクロスを跳ね返し続けている影のチームMVPと言える。


 シーズン後半に近づくにあたり両足でのフィードも完璧に近くなっており、今シーズン残留出来なかったら確実に引き抜かれていくと思われる。バスク人だし。おのれビルバオ



23 Aridane Hernández アリダネ・エルナンデス(31)


 比較的やらかさない右CBの人。いや、まさかアリダネを指して「比較的やらかさない」など書く事になろうとは……。3年前の自分に言ったら「如何にアリダネの守備が救いようのないものなのか」を滔々と語られる事間違い無しなので、もしタイムマシンが使えたとしてもアリダネとオイエルがCBを組んでいた頃には戻らないでおきたい。


 最近は右サイドバック(特にロンカリア)の開けた広大なスペースをカバーさせられる場面が少なからず見受けられ、色んな意味でカルレス・プジョルの再来感が出てきてしまった。


 2月初旬くらいまでは離脱中なのだが、復帰した暁には意外と下手じゃないアリダネちゃんのフィードも是非見てあげて欲しい。

 

 

4 Unai García  ウナイ・ガルシア (28)

 

 チームで1番マトモな右CBだと信じてたのに、最近は連続でクリアミスから失点を生み出している地上戦最強の男。失点に直結するミス以外はスペースの管理であったりドリブルで仕掛けてくる相手との一対一対応などの駆け引きが非常に達者で、キックについてもゴロもミドルも正確に味方に渡せるのもあってため息が出そうな程素晴らしい選手ではあるのだが、この頃は別の意味でため息が出てしまうので評価に困る。


 なんだかんだアリダネと比べると筋肉がちょっと足りないので単純な体のぶつかり合いには不安も残り、現状右CBのファーストチョイスからも外れてしまっている。まあでも自陣ゴール前で相手に向かってパス出さない限りはアスパスを完全に抑えたりはするので、どちらかと言うとアリダネの凄さを褒めるべきなのだろう。それに時間が経つと忘れてしまうが、ウナイ・ガルシアは一年前に前十字靭帯の損傷から復帰したばかりであり、それなのにプレーのレベルが離脱前と比べてほぼ遜色ないというのはとんでもない事。というわけで次はアザールとか抑えちゃって下さいよ。無理とか言わないで。



22 Raul Navas ラウール・ナバス(32)

 

 昨シーズンにレンタルで加入、今シーズン頭に強制購入オプションで完全加入と相なったが、足が遅すぎてモラーレスにエグいくらいボコられた。結局それからほぼ出場機会を得られず、なんとこの冬にオサスナと契約解除でセグンダカルタヘナに移籍。


 まあ確かに5バックの中央CBくらいでしか使い所のない選手ではあったが、単純にCBの選手が一枚減ったスカッドをブラウリオはどう見ているのか謎。プロメサスから動員するのか、他所から獲ってくるのか、放置か。そもそもとしてラウール・ナバスの契約解除の理由が他の選手を獲得するために登録枠を空けたかったからなのかどうか。頼むよブラウリオ……。

 



 

SB サイドバック

 

2 Nacho Vidal ナチョ・ビダル(26)


 シーズン途中からロンカリアにポジションを奪われたと思ったが、結局どちらがメインというわけでもなく相手によって使い分けられている。この人は限られたスペースでの守備センスは高いので、引いた守備ブロックで狭いサイドを守るにはうってつけの選手であるのだが、別に4-1-4-1ってそのままだとサイドのスペースを埋められるわけではないので、意識的にサイド攻撃をやってくる相手に対してはやっぱり単純な足の速さと筋肉を持ってるロンカリアと比べて見劣りしてしまう所があり、その辺が使い分けの理由なのだと思われる。


 最近はハビマルやルーカス・トロのおかげで運任せロングボールに頼らずともマトモにボールを前進させられるので、ナチョ・ビダルの展開のうまさやロベルト・トーレスとのコンビネーションが再び見られるように。最初からそうしてくれ。

 

 

12 Facundo Roncaglia ファクンド・ロンカリア(33)


 悪い意味で適性ポジションがわからない、ディエゴ・マラドーナの意志を継ぐ者。最近は右サイドバックをやらされているが、本職CBの選手と言われている割にサイドのスペースを埋める気とか全然無いので、多分みんな騙されてるんだと思う。


 私は度々この人がCBで出た時のプレーを「襖が高速で移動しているかのよう」と表現しているが、多分「他のCBと比べて危険察知能力が足りなすぎる」的なことを言いたかったんだと思われる。ヘディングで跳ね返す時も落下地点読み違えてよく被る。


 右サイドバックとして起用されている理由は「足が結構速く、フィジカルも強く、足下の技術もCBとしては結構上手い方で、ゴールへの意識が強く、尚且つ守備がザル」てな感じと推測される。セルタ戦では強力なシュートで1ゴール1アシスト(カレリへのアシストは誰がどう見てもクロスではなくシュートだ)。とは言えサイドバックとしてはドリブルもクロスも普通に下手なので、ナチョ・ビダルと常に「帯に短し襷に長し」状態で、アラサテもさぞ頭が痛かろう。ロンカリアも追いかけっこになれば結構強いんだが、ただ問題は「追いかけっこが始まってるのにその場に居ない」。酷いでしょ……。


 そんなDF擬きとしてのロンカリアだったのだが、とうとう「適性ポジションが謎のDF」として行き着く所まで行ってしまう。

 何が起きたか。コパのエスパニョール戦では右サイドバックとして出場してるはずなのに、相手のコーナーキックの跳ね返りを拾って左サイドを高速ドリブルで独走し、最後は完璧な右足アウトサイドキックでアシストを決めてしうスーパープレーを披露したのである。 


 これで完全にロンカリアというプレーヤーが理解不能になり、もうDFやめてセグンダAだか母国のアルゼンチンだかでトップ下でもやっててくれと匙を投げていた所、不動の左CBダビガルが累積出自停止となった19節バレンシア戦で急遽左CBとして出場。そこであろう事か、及第点以上の安定した守備であったり、相手を引きつけながらボールを運ぶ事で味方のマークを外させてからパスを出してたり、しっかりチームに貢献したのを見ていた私はサッカーについて何もわからなくなってしまった。


 「適性ポジション」という概念を破壊し続けるロンカリア。20節グラナダ戦では至って普通に優秀な右サイドバックとしてプレーしており、これ以上このアルゼンチン人を見てるといつか頭がおかしくなってしまいそうだ思っていたらそうなる前に負傷離脱。今シーズン残り出られないくらいの損傷とも言われているが、今度は別な意味で気が狂いそうである。本当になんなんだ一体。



https://twitter.com/haserojillo/status/1161952605402124291?s=21


 純粋だったあの頃

 

Juan Cruz ファン・クルス(28)

 


 期待の若手ルイス・ペレアレガネスに売って得た金のほとんどを費やしてエルチェから獲得した、今年プリメーラ初挑戦の三十路左サイドバック。正直ボられた。


 エストゥピニャンを見慣れて肥えてしまった目には「スピード普通、フィジカル弱くないけど強くもない、組み立ても上手くない、何よりクロスが得点に繋がらない」と良いところが特に見えず、プレーメーカーのイニゴ・ペレスにすらポジションを明け渡す日々も続いていたが、、4-1-4-1を基本とした戦い方にシフトしてからは左サイドをきっちり締める守備的サイドバックとして一定以上の活躍。


 ただ、20節グラナダ戦では卓越した攻撃センスを持つマヌ・サンチェスと特攻クロスマシーンたるジョニーのコンビが絶大な攻撃力で得点を演出しており、ポジションは安泰ではなくなりそう。



39 Manu Sánchez マヌ・サンチェス(20)


「左サイドの後ろの方にいる司令塔」っぽいタイプの、アトレティコからローンで加入した左サイドバック。本当は夏に来るはずだったが色々あって冬の加入になってしまった。


 4-1-4-1が基調になってから加入したので、守備的なファン・クルスが出場を続けている現状で守備力の低そうなマヌは今入ってきても時既に遅しかと思っていたが、前述の通り見事にジョニーを乗りこなし、スルーパスからアシストに繋げて勝利に貢献。ビルドアップという観点から見ても優秀で、トロやハビマルと合わせてロングボールに頼らない攻撃を担う中心選手として期待が膨らむ。