CAオサスナ_活動記録

Osasuna, suna, Osasuna

CAオサスナ 20-21前半戦振り返り②MF・FW編

 20節グラナダ戦、ご覧になりましたでしょうか。ブディミルが2得点、ジョニーがアシスト、正直これまでは4-1-4-1で活躍できていなかった選手達が大いに貢献しての勝利。ほとんど5-4-1になっていて、選手の位置的な動き方としてはわりと予想した通りの変化を起こしているのでありますが、選手それぞれのこれまでと比べると中々面白い変化が見られていて、これでまた何もわからなくなって参りました。

 

  相手とやりようによってはカレリ無しでも戦える事を示したアラサテだが、今度は主力の相次ぐ離脱に悩まされるハメに。果たして冬の補強はあるのか(これを書いてるのは既に日本時間で1月の30日なんだが)? 残留はできるのか? アビラの復帰はいつ? 本当に何もわかりません。後半戦の展望?そんなんアラサテにもわからんわ……。

 

 

CMF セントラル・ミッドフィルダー

 

6 Oier Sanjurjo オイエル・サンフルホ(34)

 

 34歳だというのに未だ衰えないフィジカルのキレ、運動量、勝負勘。ダブルボランチの一角やアンカーで起用すると必ずパスミスやプレス回避失敗からのボールロストで即失点のピンチを生み出してしまうが、インサイドハーフでは守備での広いカバーエリア、冴えたタイミング感での裏への飛び出し、そして相手CBや守備的MFへのチェイシングなど多様な価値を生み出している。いつまでもそのままで……。

 

27 Jon Moncayola ジョン・モンカジョラ(22)

 

 プリメーラでも有数の強靭なフィジカルを備えた守備的MFだが、そのポジションとしてはプリメーラでも随一の稚拙なパス能力の持ち主でもあるスペインU-21代表。

 

 4-4-2ダブルボランチで比較対象がオイエルだった時は「強くて速くて高くてすごいなぁ」と色んな欠点を補って余りある素質を楽しめていたが、4-1-4-1のアンカーとしてポジション争いの相手がルーカス・トロになった瞬間に足りないものを直視させられる事態に陥ってしまった。まあもぎたてのトマトがどれだけ美味しくても、それを本当にそのままドン!と提供するイタリアンのレストランは存在しないだろうしね。  

 

 今後はアンカー・インサイドハーフでの起用が主になると思われるが、現在右サイドバックがわりとクライシスに近く、そこで使われる可能性もなくはない(が、ルーカス・トロが怪我がちなのでそんな余裕はまあなかろうが)。

 

 これからはいかにボールを持った時にプレスをかわせるか、味方に余裕を与えられるプレーを出来るようになるか(味方に全部責任を被せるようなパスをやめられるか)という所でルーカス・トロをお手本として成長できるかどうかにモンカジョラの本人の未来はもちろんオサスナの未来もかかっていると思っているので、今後要注目の選手の1人。あのフィジカルで組み立てが上手くなったら無敵でしょ?

 

8 Darco Brasanac ダルコ・ブラサナク(28)

 

 今シーズンは怪我に悩まされ続けている、最近オサスナのチンピラ3号になりつつあった中央のファイター。離脱中。

 

 2023年まで契約延長してはいるが、離脱前は無用なファールが増えていたのでちょっと心配。ただインサイドハーフとしてはオイエルに負けず劣らず裏への飛び出しが上手く、両足でクロスを蹴ることが出来、そしてわりとキープ力があるので手元にあるとだいぶ有用なカードではある。

 

 相手の陣形を崩すようなパスやドリブルが無いので「創造力がない」とか言われがちだが、逆にブラサナクがそこまで出来たらオサスナにはいないだろ。人はプニャルを求めすぎなのだ。

 

21 Iñigo Pérez イニゴ・ペレス(33)

 

 本職は中盤中央のプレーメーカーでありながら、シーズン当初は「わりと足が速い」「常にポジショニングが的確(いて欲しい場所にはいつも居る)」「テクニックがありパスでの展開が巧み」といった特性から4-4-2の左サイドバックを任されていた。そして最近は恐らく同じ理由で4-1-4-1の左インサイドハーフに起用されている。左サイドで左利きの選手を活かすのがやたら上手く、20節グラナダ戦ではマヌ・サンチェスと組んで楽しそうにジョニーを走らせる姿が見受けられた。

 

 左インサイドハーフとしてはポジション争いの相手がモンカジョラやハビマルになると思われるが、モンカジョラとはタイプが全く異なり、これまでハビマルが左で起用された事が無いために序列としては高い位置を確立しているっぽい。

 

 ビルバオでプレーしていたがナバーラ人なので、大寒波で大雪のマドリー戦でも他のナバーラ人達と一緒に普通に半袖でプレーしていた。あの人達、長袖って着ないのかな……?

 

24 Lucas Torró ルーカス・トロ(26)

 

 今シーズン初頭にフランクフルトから舞い戻ったガラスのエース。とにかく怪我が多い。

 

 対人守備力であったり、危険なスペースを的確にカバーし敵の攻撃を邪魔し続ける妨害力と優れた守備コンビネーション構築力、プレスを回避しながら正確なパスを散らすビルドアップなど、出た試合では正直スペイン代表に選ばれてもおかしくないレベルで毎試合MOMクラスの働きを見せてくれているのだが、健康である時より怪我で離脱している時間の方が長いのでファンを常にやきもきさせてくれている。

 

 そしてコパのアルメリア戦で今シーズン何度目かの負傷離脱、アラサテは何故この怪我がちな選手を延長戦まで使い続けたのか小一時間問い詰めたい所である。早く戻ってきて……そしてもう2度と怪我しないで……。

 

28 Javi Martínez ハビ・マルティネス(21)

 

 毎年恒例生え抜き登用、今年の対象者はハビマルに決定しました。おめでとうございます!

 

 元々はFWやサイドハーフの選手だったが、純粋なアタッカーとしては瞬発力やトップスピードが欠けており、トップチームでのプレシーズンマッチにおいて左サイド起用された時は「内側に切れ込むドリブルが素早くて面白い」以上の良さが見られない選手だった。

 

 しかしそれが中盤にコンバートされたら「トップチームの誰よりもパスが上手い」「プリメーラのミッドフィールドで十分戦えるレベルのフィジカル」「真ん中付近で1人2人簡単に外せるドリブル」といくらでも長所が目立ち始め、ついには主力の1人として完全に定着してしまった。アラサテがインサイドハーフのポジションが存在する4-1-4-1を採用したのも運が良かったね。

 

 キックそのものが正確でパスレンジも視野も非常に広く、また「どこにパスが出たらどこにスペースが空いて誰のマークが外れるのか」を予測する力が非常に優れているのか、試合に出れば既にビルドアップやチャンスメイクで攻撃の中心として振る舞っている。が、守備的MFとしては圧倒的に経験が足りないのが災いしてか、まだ筋肉が足りないのか、ルーカス・トロがアンカーで出ている試合には大体オイエルが使われるので、出場機会はそんなに多くない。

 

 恐らくモンカジョラがアンカーの時にはビルドアップを助けるために出場する可能性は高くなるだろうが、誰と組み合わせても出したくなるような選手に成長するといいなぁと思いました。

 

29 Aimar Oroz アイマール・オロス(19)

 

 オサスナファンなら誰でも大好き次期オサスナの星候補オロスくん!グティみたいなスルーパスを出せるめっちゃ上手い子なのだが同時に体がめっちゃ細い。プリメーラでやっていくにはフィジカルの強化が必須だと思われるが、今後どうなるんでしょうか。っていうのを毎回書いてる気がする。

 

 

 

SMF サイドハーフ

 

10 Roberto Torres ロベルト・トーレス(31) 

 

 PKを任されているのでチームで1番点を取っている、オサスナ一筋の移動砲台。最近はよく決定機を外している。

 

 サイドハーフだがドリブル突破がほぼ期待できず、カウンター時にリフティングでボールキープしてから前線に不思議なロングパスを送って点を取ってもらう感じが基本のプレースタイルなのだが、必然的に活躍できるシチュエーションは限られてきてしまっている。足はそんなに遅くないんだけどな……。

 

 今後はもしかするとキケ・バルハが右サイドハーフのスタメンで出場する事が多くなるかもしれないが、どちらかと言うとロングパス一発で決定機を生み出せるロベルト・トーレスの方が短い時間で結果を求めるには効果的な気がする。

 

 

 

14 Ruben García ルベン・ガルシア(27)

 

 オサスナで1番得点チャンスを生み出す男。言い換えれば、オサスナで1番攻撃が上手いとも言えるし、それはつまりオサスナで1番サッカーが上手いとも言える。 

 

 このナバーラにおける護国の騎士様の事は過去記事で散々褒め倒したので今更書く事も無いかと思っていたが、今シーズンは離脱者の数が異様に多い中でこの人は1試合も欠場していない、という隠れた偉業を達成している。居てくれるだけでありがたい選手がちゃんと居てくれるというのがなんと幸せな事であるか。もう一生お前を離さない……。

 

 今シーズンは主に左サイドハーフで起用され、たまにインサイドハーフや4-4-2のFWとしても使われ、あとチームで1番良い左サイドバックとしての側面も持っている。レオナルド・ダ・ヴィンチか?

 

 今後もジョニーは度々負傷離脱すると思われるので、大体は左サイドハーフ起用が多くなってくると思われるが、ジョニーが怪我しなかったらどこで使われるようになるんだろうね?またインサイドハーフになるのかな。

 

11 Kike Barja キケ・バルハ(23)

 

 走る速さはそれ程でも無いが、一歩が素早く大きなステップと低い重心が繰り出すボディフェイクで一対一を制するオサスナの生え抜きウインガー。12月頃まではリーグでの出場時間がかなり短く、出てもほぼ後半残り10分で結果を求められるエクストラアタッカーとして扱われていたが、20節グラナダ戦ではこれまでのようなドリブル突破からのクロスを求められるウインガーとしてではなく、右サイドで縦突破も見せながらフェイントを交えて目の前のDFを固定し、マークの外れた味方にパスを供給するプレーメーカーとして試合を掌握。ついでにしっかり得意のクロスでアシストもゲットしておりました。

 

 確かにこの人はフィジカルがロベルト・トーレスやルベン・ガルシアより強いのでキープ力も高く、また彼らには無い縦突破からの正確なクロスという選択肢を持っており、プレーメーカーとしてはルベン・ガルシアやロベルト・トーレス以上のポテンシャルを持っているのかもしれない。両足でボール扱えるし、クロスも入れられるもんね。

 

 でもちょっと前までは「ドリブルで縦に突破してナンボ」の選手で、左サイドでエストゥピニャンと組んだ時なんかはサイドバックのオーバーラップを全く効果的に扱えなかったりもしたので、果たしてこれから本当にプレーメーカー的な選手として成長していくのかは不明。でもロベルト・トーレスを超えるアタッカーとして成長してくれればファンとしてはこれ以上有難い事はない。

 

 

 

7 Jony ジョニー(29)

 

 縦突破してクロスを上げるだけの簡単なお仕事(注:要才能)をするための機械。たびたび怪我で離脱しているが、復帰してから3試合くらい試合に出続けないと調子が戻ってこないリセット機能が搭載されており、クラブはそろそろメーカーに苦情を申し立てる予定。にも関わらず大体の試合は左サイドハーフのスタメンで起用されており、アラサテからは結構信頼されているみたいで、毎試合ファンからは「キケ・バルハを使え!」の大合唱がTwitterで見られたり見られなかったりする。ちょっとかわいそう。

 

 去年はラツィオで左ウイングバックとして使われてたけどあんまり良くなかったらしいが、20節グラナダ戦ではDFラインの一員としてマヌ・サンチェスの真横で守備をさせられていた。結局どこに行ってもウイングバックさせられる運命。でも器用な選手では無いし、それでいて足はめちゃ速いし運動量は多いので、毎試合全身全霊上下動してるくらいがちょうど良いのかもしれない。

 

 グラナダ戦でまた負傷離脱してしまったが、マヌ・サンチェスとイニゴ・ペレスの2人に綺麗なスルーパス出してもらって気持ちよく左サイドを全力疾走している姿が印象的であった。今後のジョニーの活躍の鍵はこの3人の同時起用にあるのだろうか。

 

 

32 Asier Córdoba アシエル・コルドバ(20)

 

 夏にビルバオのBチームからやってきたウイングっぽい人。基本的にはプロメサス所属。

 

 ドリブルが結構速くてFWもこなせそうな技術があるが、ここまでトップチームでの出場は無し。今後に期待。

 

 

37 Kike Saverio キケ・サベリオ(21)

 

   夏にバルサBから来たプレーメーカーっぽい人。基本的にはプロメサス所属。

 

 スペースを認識する最小単位が明らかにオサスナの他の選手より小さく、また相手を引きつけるプレーの一つ一つも緻密でバルサっぽさを感じるが、果たしてそれが何かに繋がるのかは不明。サイドハーフとしてならもっと単純なクロスでのアシストとかがあった方がいい気がする。

 

 この冬にセグンダのクラブにレンタル放出される噂が立っているが、まあプレーメーカーとしてならサイドハーフでもインサイドハーフでもポジションを勝ち取れそうではある。頑張れ。

 

 

 

 

FW フォワード

 

9 Ezequiel "Chimy" Ávila エセキエル・"チミー"・アビラ(26)

 

   復帰は4月頃になるらしいです。

 

 

16 Jonathan Calleri ジョナタン・カレリ(27)

 

 チームが4-1-4-1を採用するようになってから、前線でボールを収めてカウンターの起点になっている、「得点力以外はチミー・アビラ」なアルゼンチン人のストライカー。ハビマルもルーカス・トロもルベン・ガルシアもいない時はまずこの人が1人でどうにかしてくれないと攻撃が成り立たないのだが、基本どうにかしてくれるのですごいなぁと思っていつも見させて頂いております。とにかく体がしなやか。

 

 得点パターンは目の前に転がってきたボールを思いっきりゴールに蹴り込むか、頭目掛けて飛んできたロンカリアの高速シュートを超反応でゴール方向に流し込むかの2つしかないが、最近はフィジカルのキレが凄まじく、動きがバレエ選手みたいになっている。そのうちものすごいダイレクトボレーとか決めそう。3年以内に1回くらいは。

 

 4-1-4-1使い始めの頃は、これってカレリがいなかったら成り立たない戦法なんじゃないか?と思っていたが、他の人が運んでくれれば必須ではないですね。いや離脱しないでくれればそれが1番いいんですけど。

 

 

19 Enric Gallego エンリク・ガジェゴ(34)

 

 胸から上に飛んできたボールをキープする事にかけてはチームの誰よりも上手いが、それしか出来ない上に最近はFW目掛けて長いのを放り込むプレーをアラサテが求めてないのでリーグ戦では全く出場機会が無くなってしまった。

 

 リーグ戦12試合で無得点、コパでも影は薄かったみたいで、冬に入ってからはファンからは放出候補として噂されている。筆者もそれが妥当に思います。

 

 今シーズン夏に昨シーズンのレンタルからの強制購入で2M€も払って獲得したばかりなので、もうちょっとどうにかなって欲しかったのだが、試合に出てもイエローカードを積み重ねるばかりでどうにもならなそうなのであった。普通FWが途中出場したらファンとしては「点取ってくれ!」と祈るものだと思うのだが、ガジェゴの場合は「退場はしないでくれ……!」になるんだからつらい。さよならは遠くないんだろうな。

 

17 Ante Budimir アンテ・ブディミル(29)

 

 チーム内得点数1位タイ、ご存知クロアチアの長身ストライカー。今年は人生で初めてクロアチア代表に呼ばれたり、帰ってきたら例のアレが陽性反応になってたりと色々あった。

 

 やたら決定機を外したり、動きが遅かったりと19節終了時点までは期待外れ感が漂っていたが、20節グラナダ戦ではいきなりドブレーテをぶちかまし、ついでに動きも機敏で相手のビルドアップを存分に邪魔しまくりの大活躍。サイドに流れて後ろ向きでボールを受けたらすかさず左サイドの裏へ走るジョニーにスルーパスを送って、そのままゴール前まで駆け上がってジョニーのクロスの跳ね返りをゴールに叩き込むなど、今までのカメさんみたいな動作性能はどこへ行ったのか?

 

 ただ急に機敏に動いた反動か、グラナダ戦では前半で負傷交代しそのまま離脱。今は実質ストライカーが2人しかいないので、早く元気に戻ってきて欲しいところである。後半戦で2桁ゴール達成も頼んだ。

 

20 Adrian López アドリアン・ロペス(33)

 

 ルベン・ガルシアと同じくらい攻撃が上手い人。縦突破もできるよ。でも前半戦は怪我で10試合くらい逃してしまったね。そろそろ復帰できると思うんだけど、4-1-4-1だとどのポジションで起用されるのかな。やっぱサイドかな。ワントップだったらすごくない?

 

 

18 Brandon Thomas ブランドン・トーマス(25)

 

 前十字靭帯損傷から復帰、したにも関わらずリーグ戦では全く出場機会を貰えないままレガネスにレンタル放出。このままさよならコースだろうか。18-19メンバーとの別れは他にも増して寂しいものであるから、できる事なら味わいたくないんだけどな。